京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
  いきなりデートに誘われた寧々は、それはもう急いで身支度を整えて家を飛び出た。好きな人からデートしたいなんて言われたら、その気にならない女の子はいないだろう。
 待ち合わせ場所にはラフな服装をした伊織が既にいた。昨日と違い、女性に囲まれていなかったのでそれはよかった。
 珍しく伊織が無表情なことが寧々は気になった。
 すると、寧々に気づいた伊織が先ほどのまでの無表情はどこへやら、いつもの柔らかい笑みを浮かべて手を振ってくれた。
 寧々は伊織に小さく手を振り返して伊織の元へ近づいた。

「寧々ちゃん、こんにちは。急にお誘いしてすまへん。でも、来てくれて嬉しい」
「ううん、気にしないで。ちょうど時間空いてたし、清水さんと話すのは楽しいから」
「そう言ってくれるとこっちも嬉しいわ。おおきに」
「そういえば、今日はどうするの?」

 伊織に駅まで来てほしいと言われて急いでやって来た寧々だが、今日の予定を聞かされていなかったのだ。

「そやねえ、寧々ちゃんに会いたくなったから、じゃあかん?」

 ずるい。そんなこと言われたら、期待してしまう。寧々はぎゅっとバッグを握りしめた。

「……だめじゃ、ない」
「よかった。ここじゃなんだから、俺の家行かへん?」
「え? いいの?」
「寧々ちゃんならええよ。ほな、行こか」

 まさかのお家デートになるとは思わなかったが、伊織がわざわざ自分のプライベートゾーンに入れてくれることが嬉しくて、寧々は足取り軽く伊織に着いていく。
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