京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
 わざわざ寧々の最寄駅まで来てくれた伊織には悪いが、電車に乗って伊織の家がある駅まで電車に乗ること数分。改札口を出て五分ほど歩いたところに伊織の家、もといマンションがそびえたっていた。

 オートロックマンションのようで、広いエントランスがあった。寧々の身長と同じくらいの観葉植物があり、日常と少し離れたところに来た感覚がした。

 エレベーターに乗り十二階で降り、伊織の家に入る。前回来た時は意識がなかったし、すぐ帰宅したのでそこまで注意して見ていなかったが、部屋も広く内装が綺麗なところを見ると家賃も高そうでなんだか気が引ける。

「寧々ちゃん? 遠慮せんと、くつろいでや」
「いえ、お構いなく……!」
「ほんまに遠慮せんでええから」

 二人がけのソファーに腰を下ろした伊織は、空いている隣をぱしぱしと叩いた。どうやら隣をご所望のようだ。
 寧々はおそるおそる腰を下ろした。ふかふかでお尻がゆっくり沈んだ。

「うわあ、すごい」
「なにが?」
「このソファー、ふかふか」
「おおきに。これでも家具にはこだわっとるんよ」

 ちらりと家の中に視線を寄越す。清水家はそんなに物が多くないらしく、白と黒が基調となったシックな雰囲気が伊織らしいと思う。
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