京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
 時刻は三時を回ったところだ。ランチにしては遅いものになったが、今日は日曜日だし時間に捉われることのない自由な時間の使い方は至福の時である。
 お腹いっぱいになったところで段々眠くなってきた寧々は、睡魔と格闘しながらなんとか目を開けようとした。
 しかし、午後のまったりとした感覚には抗えない。ソファーに移動して背もたれに体重を預けて瞼を閉じる。それからすぐに寧々は眠ってしまった。

 目が覚めると部屋は常夜灯の明るさになっており、完全な暗闇でないことから伊織の配慮を感じて心があたたかくなる。
 どうやら伊織宅の立派なソファーに寝転がせてもらっていたようだ。ご丁寧に枕まで使わせてもらっている。
 だが、この枕はほのかにあたたかく、ふかふかソファーにしてはやや固い。まだ寝ぼけているのかと枕を触っていると、頭上から「くすぐったいわ、寧々ちゃん」と甘くて低い声が降ってきた。

「……え?」
「なんや、寝ぼけてるん? ふふ、かわええね」

 顔を覗き込まれて、寧々はようやく覚醒した。

「し、清水さん!?」
「はい、清水やで」
「な、なんで、膝枕……!」
「なんでって、俺が戻ってきたら寧々ちゃんは寝とるし、暇やなあおもて隣に座ったらもたれかかってきたんやで? 起こすのも可哀想やし、寝かせたろって」

 あっけらかんと言う伊織に、寧々はある意味感心してしまった。いくら友達とはいえ、膝にのってきたらどかすか移動するかのどちらかではないだろうか。
 どれくらい寝させてもらったのか分からないし、よだれを垂らしていないかなど、気になることがたくさんある。一応口元をごしごし擦っておいた。
 それを見ていた伊織は、寧々のいじらしさに思わず笑ってしまった。
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