京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
時刻はいつの間にか五時になっており、伊織が車で送ってくれるそうなので、今日何度目か分からない好意に甘えさせていただくことにした。
寧々は地図アプリで自分の住所を登録して、それを伊織のスマホに送った。
助手席に座り、隣で運転する伊織をちらりと見る。運転している姿も様になっており、美男子は何をしていても絵になるのだなとくだらないことを考えていた。
伊織は車内でも寧々が飽きないよう話を振ってくれるし、そういう間の取り方が本当にうまいと思う。
車に乗ること約二十分、寧々の住むアパートの前に到着した。送ってもらうのは楽でいいが、ずっとそばにいる分別れ際が寂しい。
寧々は車を降りて、伊織に礼を言う。
「清水さん、家まで送ってくれてありがとう。それと、今日も楽しかったよ。秘密のあれも、すごく嬉しい。大事にするね」
秘密のあれとは水川類のサイン本のことである。この世に二つとない、寧々の大切な宝物。
「寧々ちゃんが喜んでくれはったのならよかった。近いうちにまた今度会おうな。約束」
伊織も車からわざわざ降りて、小指を出してきた。ゆびきりげんまんしようということらしい。
寧々も小指を出して、指を絡める。
「ゆーびきーりげんまーんうーそつーいたらはーりせーんぼんのーます、指切った」
「約束。俺のこと忘れとって」
「……うん。忘れない」
小指が離れていく。寧々は名残惜しい気持ちになるが、次に会う約束をしたのでもう寂しくはない。
「またね、清水さん」
「またな、寧々ちゃん」
二人は手を振ってお別れの挨拶をする。伊織に背中を向けて歩き出す。もう一度伊織の顔が見たくなって、寧々は後ろを振り返る。そこには寧々のことを見送る伊織の姿があり、なんだかくすぐったくなる。視線が絡み、自然と手を振る。
伊織が口パクで何かを言っているようだ。よく見て言葉を考える。
──はようちに入り──
そう言っているのが分かり、寧々はぺこりとお辞儀をして今度こそ家の中に入った。
車のエンジン音が聞こえる。それは来た時と真反対の方に響いたので、伊織も帰宅したのだろう。
寧々はスマホを取り出しメッセージアプリで今日のお礼を伊織に伝えた。
そういえば、せっかく手作りご飯をごちそうになったというのに、写真を撮り損ねたらことを思い出した。もったいないことをしたなと思うが、またこういう機会があることを考えて次回に取っておくことにした。
楽しみは多い方がきっといいから。
寧々は地図アプリで自分の住所を登録して、それを伊織のスマホに送った。
助手席に座り、隣で運転する伊織をちらりと見る。運転している姿も様になっており、美男子は何をしていても絵になるのだなとくだらないことを考えていた。
伊織は車内でも寧々が飽きないよう話を振ってくれるし、そういう間の取り方が本当にうまいと思う。
車に乗ること約二十分、寧々の住むアパートの前に到着した。送ってもらうのは楽でいいが、ずっとそばにいる分別れ際が寂しい。
寧々は車を降りて、伊織に礼を言う。
「清水さん、家まで送ってくれてありがとう。それと、今日も楽しかったよ。秘密のあれも、すごく嬉しい。大事にするね」
秘密のあれとは水川類のサイン本のことである。この世に二つとない、寧々の大切な宝物。
「寧々ちゃんが喜んでくれはったのならよかった。近いうちにまた今度会おうな。約束」
伊織も車からわざわざ降りて、小指を出してきた。ゆびきりげんまんしようということらしい。
寧々も小指を出して、指を絡める。
「ゆーびきーりげんまーんうーそつーいたらはーりせーんぼんのーます、指切った」
「約束。俺のこと忘れとって」
「……うん。忘れない」
小指が離れていく。寧々は名残惜しい気持ちになるが、次に会う約束をしたのでもう寂しくはない。
「またね、清水さん」
「またな、寧々ちゃん」
二人は手を振ってお別れの挨拶をする。伊織に背中を向けて歩き出す。もう一度伊織の顔が見たくなって、寧々は後ろを振り返る。そこには寧々のことを見送る伊織の姿があり、なんだかくすぐったくなる。視線が絡み、自然と手を振る。
伊織が口パクで何かを言っているようだ。よく見て言葉を考える。
──はようちに入り──
そう言っているのが分かり、寧々はぺこりとお辞儀をして今度こそ家の中に入った。
車のエンジン音が聞こえる。それは来た時と真反対の方に響いたので、伊織も帰宅したのだろう。
寧々はスマホを取り出しメッセージアプリで今日のお礼を伊織に伝えた。
そういえば、せっかく手作りご飯をごちそうになったというのに、写真を撮り損ねたらことを思い出した。もったいないことをしたなと思うが、またこういう機会があることを考えて次回に取っておくことにした。
楽しみは多い方がきっといいから。