京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
 いつの間にかバスの中で眠っていた寧々は、隣に座る伊織の肩に頭を乗せていたようだ。終点である京都駅に戻ってきて、優しく伊織に起こされた。
 バスを降りて、手を繋ぐ。
 時刻は二時を回ったところだ。お腹が空いてきた二人は、とりあえず昼食を食べることにした。

 お好み焼きのお店にやってきた二人は、こぢんまりとした店内と「いらっしゃいませー!」と言う元気のいい店主と思しき人の活気にやや押された。
 もう一人の店員がお冷とメニューを持ってきてくれたので、それを二人で見ながらぱらぱらとめくっていく。

「寧々ちゃんはなににする?」
「私は明太チーズがいいな」
「分かった。俺はシーフードにしよ。そうや、半分ずつ食べへん? そっちの明太チーズも気になるねん」
「いいよ、そうしようか」
「じゃあ、決まりな」

 伊織が店員に注文を頼んでくれた。のどが渇いていたので、寧々と伊織はアイスティーを食前に頼んだ。
 キンキンに冷えたアイスティーを飲んで、身体の内側から冷えていく感覚がする。店内はクーラーが効いていて涼しいが、真夏の外を歩いていた寧々はようやく落ち着いてきた。

「このあと行きたいところある?」
「まずは清水寺に行きたいな」
「分かった。俺が案内するわ」
「よろしくお願いします」

 二人の前に明太チーズとシーフードのお好み焼きが並べられた。

「ご注文は以上でお揃いですか?」
「はい」
「かしこまりました。どうぞごゆっくり」

 二人は軽く会釈をして、店員に礼をした。

「とりあえずシーフード半分に切るわ。寧々ちゃんもチーズ明太の方切ってくれる?」
「うん、分かった」

 未使用の箸で半分に切り分けていく。さくさくに焼かれたお好み焼きはおいしそうだ。
 寧々と伊織はそれぞれ半分に切って、お互いの皿に移した。

「いただきます」
「いただきます」

 まずは自分が注文したチーズ明太の方を食べる。ピリ辛の明太子に、とろとろに溶けたチーズとお好み焼きの相性は最高にいい。熱々だが、それがいいのだと思わせる味だった。

「すごくおいしい!」
「むっちゃおいしいな! 寧々ちゃんがわけてくれたチーズ明太も食べよ」
「うん、食べてみて」

 今度は伊織が分けてくれたシーフードの方を食べる。ぷりぷりの海老とコリコリ食感のイカ、ほのかに香るダシが混ざってとてもおいしい。

「シーフードもおいしい!」
「チーズ明太もおいしいわあ。やっぱりお好み焼きはええね」

 二人は熱々のうちにお好み焼きを食べ進めた。冷めてしまってはもったいないからだ。やけどしそうになりながらも、熱い熱いと言っておいしいお好み焼きを食べるのがとても幸せなことだと感じた。
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