京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
日が暮れて時刻は夕方に差し迫っている。
伊織が予約してくれたホテルは朝食付きのため、今日の夕食はどこかで食べなければ食いっぱぐれてしまう。
「お昼はお好み焼き食べたし、夜ご飯はなにがいい?」
「そうやなあ……。俺のおすすめの店があるんやけど、そこでもええ?」
「いいよ。ちなみに何屋さん?」
「個人でやってる居酒屋で、昔から通ってるんよ。からあげやったり寿司やったり、なんでも置いてあるおもろい店やねん」
伊織が京都にいた頃はよく来ていた店らしい。どんな店なのか気になるし、食べてみたい。あまりお酒は飲めないが、居酒屋の雰囲気は好きなので行ってみたいと思った。
「そこがいい!」
「よし、決まりやな」
京都駅から二駅ほど離れたところで商いをしており、駅から離れた路地裏にその居酒屋はあった。赤い提灯が下げられており、どこか親しみやすさがあった。
「入ろか」
「うん」
伊織に手を引かれて中に入れば、周りの客がちらりと視線を寄越したかと思えば、伊織の姿を認めて「伊織くんが嫁はん連れて帰ってきたぞー!」と、てんやわんやの騒ぎになった。
伊織は間違いを訂正することなく、どんどん中に入る。興味津々といった視線に寧々は愛想笑いをして、とにかく伊織の後を着いて行った。
店の一番奥にあるカウンター席に座らされ、その隣に伊織が座った。
店員がメニュー表を持ってきて寧々に手渡した。礼を言って会釈をする。
メニュー表に目を通すと、伊織の言っていた通り多種多様な品揃えに目を見張る。とりあえず、きゅうりの漬け物と焼き鳥、サーモンとマグロのお寿司を頼んだ。それに加えて、伊織はからあげと焼酎、寧々が飲めるようにベリーリキュールミルク割りを追加した。
「伊織くん、久しぶりやんな。元気にしてたか?」
店長らしき人がカウンターから声をかけてきた。伊織は「お久しぶりです。俺はいつでも元気ですよ」とにこやかに答えた。
「隣の人は伊織くんのええ人なん?」
「そうですよ。俺が寧々ちゃんに惚れてるんです」
伊織が答えると、黙って見ていた聴衆は「やっぱりそうやったか」「伊織くんも隅におけないねえ」など、口々にそう言って楽しそうに食べたり飲んだりしていた。
そこで飲み物とお通しの枝豆が届き、二人は恒例の乾杯をした。二人は枝豆を摘みながら談笑する。
「寧々ちゃんの服、夏らしくてええね」
「そうかな? ありがとう。これ、新しく買ったばかりだから、褒められて嬉しい」
「そうなんや。寧々ちゃんに似合っとるよ、かわええ」
酒が入りいつもよりふにゃふにゃしている伊織は、どうやらホームグラウンドに戻って落ち着いているようだ。
そういえば、伊織と出会って酒を飲むのはこれが二回目だ。一回目は、拓也に振られてバーで出会ったのが懐かしく思う。伊織は酒に強かった記憶があるが、寧々はそうではない。
「清水さんも知ってると思うけど、私お酒あんまり飲めないからこれで終わりにするね」
「うん、無理せんでね。俺もこれで終わりにするし、空になったらお茶にしよか」
「そうする」
注文していたものが届き、寧々と伊織は半分ずつ食べ進めた。
ほかにもたくさん注文し、満腹になるまで飲んで食べて楽しいひとときを過ごした。
伊織が予約してくれたホテルは朝食付きのため、今日の夕食はどこかで食べなければ食いっぱぐれてしまう。
「お昼はお好み焼き食べたし、夜ご飯はなにがいい?」
「そうやなあ……。俺のおすすめの店があるんやけど、そこでもええ?」
「いいよ。ちなみに何屋さん?」
「個人でやってる居酒屋で、昔から通ってるんよ。からあげやったり寿司やったり、なんでも置いてあるおもろい店やねん」
伊織が京都にいた頃はよく来ていた店らしい。どんな店なのか気になるし、食べてみたい。あまりお酒は飲めないが、居酒屋の雰囲気は好きなので行ってみたいと思った。
「そこがいい!」
「よし、決まりやな」
京都駅から二駅ほど離れたところで商いをしており、駅から離れた路地裏にその居酒屋はあった。赤い提灯が下げられており、どこか親しみやすさがあった。
「入ろか」
「うん」
伊織に手を引かれて中に入れば、周りの客がちらりと視線を寄越したかと思えば、伊織の姿を認めて「伊織くんが嫁はん連れて帰ってきたぞー!」と、てんやわんやの騒ぎになった。
伊織は間違いを訂正することなく、どんどん中に入る。興味津々といった視線に寧々は愛想笑いをして、とにかく伊織の後を着いて行った。
店の一番奥にあるカウンター席に座らされ、その隣に伊織が座った。
店員がメニュー表を持ってきて寧々に手渡した。礼を言って会釈をする。
メニュー表に目を通すと、伊織の言っていた通り多種多様な品揃えに目を見張る。とりあえず、きゅうりの漬け物と焼き鳥、サーモンとマグロのお寿司を頼んだ。それに加えて、伊織はからあげと焼酎、寧々が飲めるようにベリーリキュールミルク割りを追加した。
「伊織くん、久しぶりやんな。元気にしてたか?」
店長らしき人がカウンターから声をかけてきた。伊織は「お久しぶりです。俺はいつでも元気ですよ」とにこやかに答えた。
「隣の人は伊織くんのええ人なん?」
「そうですよ。俺が寧々ちゃんに惚れてるんです」
伊織が答えると、黙って見ていた聴衆は「やっぱりそうやったか」「伊織くんも隅におけないねえ」など、口々にそう言って楽しそうに食べたり飲んだりしていた。
そこで飲み物とお通しの枝豆が届き、二人は恒例の乾杯をした。二人は枝豆を摘みながら談笑する。
「寧々ちゃんの服、夏らしくてええね」
「そうかな? ありがとう。これ、新しく買ったばかりだから、褒められて嬉しい」
「そうなんや。寧々ちゃんに似合っとるよ、かわええ」
酒が入りいつもよりふにゃふにゃしている伊織は、どうやらホームグラウンドに戻って落ち着いているようだ。
そういえば、伊織と出会って酒を飲むのはこれが二回目だ。一回目は、拓也に振られてバーで出会ったのが懐かしく思う。伊織は酒に強かった記憶があるが、寧々はそうではない。
「清水さんも知ってると思うけど、私お酒あんまり飲めないからこれで終わりにするね」
「うん、無理せんでね。俺もこれで終わりにするし、空になったらお茶にしよか」
「そうする」
注文していたものが届き、寧々と伊織は半分ずつ食べ進めた。
ほかにもたくさん注文し、満腹になるまで飲んで食べて楽しいひとときを過ごした。