京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
「もう、普通に起こしてくれたらいいのに」
「悪いと思っても、かわええ反応する寧々が見たくて、つい」
「それ、絶対悪いと思ってないやつだよね」
「ははは」
「ほら!」

 ビュッフェスタイルの朝食で、朝から豪華に食事をする寧々は少々ふてくされていた。それを面白おかしく見ているのは伊織だ。
 寧々はやはり面白くなくて、朝食に専念することにした。まずは、取ってきた卵焼きを食べる。

「あ、この卵焼きおいしい」
「ほんまや、おいしいなあ」

 伊織もおなじものを取ってきたようで、寧々同様にぱくりと口に含んだ。おいしいものをこうして共有できるのは嬉しい。
 朝から怒ってばかりだと、楽しいものも半減する。寧々は楽しい時間の方が好きだ。
 だから、それもおしまいにしよう。

「おみそ汁もあたたまるね」

 寧々は伊織に笑いかけた。それでもう怒っていないことを察した伊織は柔らかな笑みを返す。

「夏に熱いものもなかなか乙やね」
「うん、そう思う」

 先日岩澤と食べたうどんとラーメンを思い出す。夏は熱いものを避けがちだが、敢えて食べることによってうまみを感じるものなのだ。
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