総長の愛が、重すぎる
廊下を歩いていた悠真が、うわ出たと笑い、臣は壁に寄りかかりながら面白そうに見ている。律は小さくため息をつき、湊はまた始まったという顔をした。

「蓮、それはさすがに」

「無理」

「また即答……」

蓮はひまりの手首を軽くつかみ、そのまま人気のない非常階段まで連れていく。

鉄の扉が閉まる音に、ひまりの心臓が大きく跳ねた。

夕方の薄い光の中で、蓮はひまりを見つめる。

いつもより静かで、でもその分だけ感情が濃く見えた。

「最近ずっと、むかつく」

「え」

「おまえが笑うたび、周りが見る」

ひまりは息をのむ。

蓮は一段下に立っていたのに、今はゆっくり上がってきて、ひまりと同じ高さになる。

逃げ道をふさぐほどではない。

でも、簡単には離してくれなさそうな距離だった。
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