総長の愛が、重すぎる
「他のやつに笑うなとか、見せるなとか、全部言いてぇ」

「……うん」

「閉じ込めたいくらい好きだ」

夕暮れの風が、階段の隙間を抜けていく。

その中で、蓮の声だけが熱を持っていた。

「でも、それで嫌われたら終わるから、ずっと我慢してた」

ひまりは目を見開く。

今まで十分重いと思っていたのに、それでも蓮は我慢していたのだ。

「無理だった」

蓮が、ひまりの額にこつんと自分の額を当てる。

「もう無理。ちゃんと言う」

近すぎて、呼吸まで混ざりそうだった。

「ひまり」

名前を呼ばれるだけで、胸が跳ねる。

「好きだ」

はっきりと、逃げ場のない声だった。

「誰よりも、俺がいちばん好きだ」

ひまりの目が揺れる。

蓮は続ける。

「守るだけじゃ足りねぇ。隣にいたい」

「……蓮」

「おまえを好きなやつが何人いても関係ない」

その目が、まっすぐすぎるほどまっすぐで、ひまりは視線をそらせなかった。

「俺を選べ」

その瞬間、ひまりの中で何かがほどけた。

怖いと思っていた気持ちも、戸惑いも、不安も。

全部飲み込むくらい、蓮の想いが大きかったから。

「ずるいよ」

小さく言うと、蓮が眉を寄せる。

「何が」

「そんな言い方、断れない」

数秒、沈黙が落ちる。

蓮の目がわずかに見開かれた。

「……それって」

ひまりは恥ずかしさでいっぱいになりながらも、逃げずに言った。
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