総長の愛が、重すぎる
「私も、蓮が好き」

次の瞬間、蓮の手がひまりの腰を引き寄せた。

気づけば、しっかり腕の中に閉じ込められている。

「っ、れん」

「もう一回」

「え」

「好きって言って」

「む、無理」

「俺は言った」

「蓮が勝手に言ったの」

「じゃあ俺だけってこと?」

そんな少し拗ねた言い方までずるい。

ひまりは顔を真っ赤にしたまま、蓮の制服に額を押しつけた。

「……好き」

蚊の鳴くような声だったのに、蓮には十分だったらしい。

抱きしめる力が一気に強くなる。

「やばい」

「何が」

「うれしすぎて、何しても許される気がする」

「許されないよ!?」

思わず顔を上げると、蓮が少しだけ笑った。

その笑顔があまりにもやわらかくて、ひまりはまた心臓をつかまれる。

「じゃあ、ひとつだけ」

蓮の指が、ひまりの頬に触れる。

熱を確かめるみたいに、そっと。

「キスしていい」

ひまりは固まった。

頭の中が真っ白になる。

蓮はそんなひまりを見て、ふっと苦く笑う。

「その顔、反則」

「だ、だって急すぎるもん」

「断る?」

静かな声だった。

でもその奥に、必死な不安があるのがわかる。

ひまりはぎゅっと目を閉じて、それから小さく首を横に振った。

すると蓮の呼吸が、わずかに乱れた。

「……ほんとに?」

ひまりはこくんとうなずく。

次の瞬間、蓮の唇がひまりの額にやさしく触れた。

とても短いのに、心まで熱くなるようなキスだった。

「え……」

驚いて目を開けると、蓮はひまりを見つめたまま、低く言う。

「今日はこれで限界」

「……おでこ」

「口にしたら、たぶん止まれない」

あまりに正直で、ひまりはもう何も言えなくなる。
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