総長の愛が、重すぎる
次の瞬間、ぐいっと腕を引かれて、ひまりは蓮の胸に抱き寄せられた。

「れん」

「キスしていい」

前みたいな確認の声。

でも今回は、前よりずっと熱を帯びていた。

ひまりはどきどきしながら、小さくうなずく。

それを見た蓮が、ひまりの頬を包む。

指先が少し熱い。

ゆっくり近づいてきた顔に、ひまりは思わず目を閉じた。

そして触れた唇は、驚くほどやさしかった。

そっと重なって、少し離れて、また触れる。

確かめるみたいなキス。

けれど回数を重ねるたびに、蓮の感情がにじんでくる。

「ん……」

ひまりの小さな声がこぼれた瞬間、蓮の腕に力が入った。

「やばい」

離れた唇のすぐ近くで、蓮が苦しそうに言う。

「かわいすぎる」

ひまりは恥ずかしくて顔をそらそうとする。けれど蓮の指が顎に触れて、逃がしてくれない。

「こっち見て」

「むり……」

「俺は見てる」

そんなのずるい。

涙が出そうなくらい恥ずかしいのに、蓮の目が甘すぎて、振りほどけない。

「もう一回」

そう言って、今度はさっきより深く口づけられる。

短いのに、胸の奥まで熱くなるようなキスだった。

終わったあと、ひまりは力が抜けそうになって、蓮の胸元に額を押しつける。

蓮はそんなひまりを抱きしめながら、耳元で低くささやいた。

「今日、連れて帰りたい」

「っ、だめ!」

即答すると、蓮が少しだけ笑う。

「言うと思った」

「もう……」

「安心しろ。しない」

その声には、どこか名残惜しそうな甘さがあった。

ひまりが真っ赤なまま顔を上げると、蓮はまた髪をなでる。
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