総長の愛が、重すぎる
「誰ですか」

ひまりが警戒すると、男はゆっくり笑った。

「俺は桐生拓真。鳳仙の総長」

その名前に、ひまりの背筋がぞくりとする。

近隣で煌牙と並んで知られる他校の暴走族。そのトップが、どうして自分の前にいるのか、ひまりにはわからなかった。

拓真はひまりの前まで来ると、じっと顔をのぞきこむ。

「へえ。噂以上」

「噂?」

「神崎蓮が、異常なくらい囲ってる女」

ひまりの心臓がどくんと鳴った。

「別に、囲われてなんか」

「されてるよ」

ぴしゃりと言い切られ、ひまりは言葉を詰まらせる。

拓真は笑ったまま、けれど目だけは真剣だった。

「でも納得した。そりゃ蓮も必死になる」

そのとき、ひまりの手首に指が触れた。

反射的に肩をすくめた瞬間だった。
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