総長の愛が、重すぎる
「その手、離せ」

低く響いた声に、空気が一変した。

ひまりが振り向くと、蓮が立っていた。

後ろには悠真、臣、律、湊。全員そろっている。誰一人笑っていない。

蓮の目は、ひまりではなく拓真だけを見ていた。

「他校まで来て、何のつもりだ」

拓真は手を離し、面白そうに目を細めた。

「挨拶だよ。おまえの大事な子を見に来た」

「見たなら帰れ」

「それは無理だな」

拓真はまっすぐひまりを見る。

「俺、気に入った」

その一言で、臣が小さく舌打ちした。悠真の笑顔も消える。律は一歩前に出て、ひまりを背中へかばった。湊は静かな顔のまま、周囲の人数と逃げ道を見ている。

けれど、蓮だけは動かなかった。

動かないまま、一番怖かった。

「拓真」

「何」

「これ以上近づいたら、容赦しない」

拓真は笑う。

「やってみろよ」

次の瞬間、蓮の拳が飛んだ。
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