きみの居ない春を、まだ知らない
湊は写真家になっていた


二十八歳


東京を拠点に活動


来月、都内で個展を開催するらしい


玲奈は写真を一枚ずつ眺めた


人が写っていない


どの写真にも、誰もいない


それなのに、不思議と温かかった


写真の下に、湊の言葉が載っていた


『人がいなくなった場所には、その人がいた時間が残っている』


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