きみの居ない春を、まだ知らない
「そこに、その人がいたって分かるから」


胸の奥が、少しだけ痛んだ


「寂しくないですか」


「寂しいよ」


湊は笑った


「でも、嫌いじゃない」


玲奈はそれ以上聞かなかった


最後の質問を書く


そして、ふと手を止めた


「この個展のタイトルについて聞いてもいいですか」


「うん」


「『残るもの』にした理由は何ですか」


< 25 / 129 >

この作品をシェア

pagetop