きみの居ない春を、まだ知らない
湊がいた


黒い傘を一本持って立っている


「お疲れ」


「ありがとう」


「寒いね」


「うん」


湊が傘を少し玲奈側に傾ける


昔もそうだった


いつも玲奈のほうに傘を傾けて


自分の肩が濡れていた


「湊」


「ん」


< 49 / 129 >

この作品をシェア

pagetop