孤高の大富豪は優しい魔女に恋をする
シアの借りた家は一階は半分以上がお店になっていてその裏にキッチンとダイニングと小さいけれどソファーを置いて寛げるスペースもある。

キッチンは広くてアイランドスタイルになっているので、朝食はアイランドのカウンターで二人で座って食べる。

シアはこの広いキッチンがとても気に入っている。

シアが薬草や花などで作るアロマや香水、万能の塗り薬を作るのに広いキッチンは使い勝手もよくとても助かっているのだ。

夜はダイニングテーブルで食べるのだが、ダイニングテーブルはマギーの勉強机にもなっている。

マギーには二階に自分の部屋があるのだが、学校から帰るとここで勉強しているのだ。

勝手口の所はマッドルームになっていて、マギーはこの勝手口から出入りしている。

マッドルームにはコートを掛けるところやシューズクロークもあるし小さなクローゼットもある。

洗濯もここでするのだ。

ほとんど乾燥まで回すが、おしゃれ着など手洗いしたものを干すスペースもある。

2階にはバスルームと3部屋の居室がある。

シアはこの家の間取りも外観もすごく気に入っている。

メインの大きな寝室はシアの部屋になっていてウオークインクローゼットとシャワールームも付いている。

後の二部屋はだいたい同じような広さで三部屋は表の道路に面して並んでいる。

マギーは真ん中の部屋でその隣は妹のリリーが来た時、彼女の部屋にするつもりで整えてある。

彼女はカナダのバンクーバーの大学に行っているので、まだこの家に来たことは無い。

シアとリリーは手紙を一月に一回は出すようにしている。

何か大切な事を知らせる時は二人で考えた暗号を使う。

魔女のシアはシャドーという一味につけ狙われているのだ。

3年前両親がシャドーに居場所が見つかってしまった時、シアとリリーを逃がした。

全財産と二人の新しい身分を用意してあったものをシアに託して絶対に何があってもここに帰って来てはいけないと言って二人を列車に乗せたのだ。

シアが二十二歳妹のリリーは十八歳の時だった。

その三日後両親は自宅から遠く離れた山の道路で崖下に車ごと落ちて亡くなった。

シャドーからシアたちを守るために自分たちが犠牲になったのだ。

2人は両親の死を新聞で知ったのだが、葬式を出してあげる事もお墓を作ってあげる事もできないままだ。

その記事を読んで、シアとリリーは一晩中抱き合って泣いた。泣き疲れて眠ってしまうまで…

身元が分かる物を何も身に着けていなかったので身元不明のまま共同墓地に埋葬されたようだ。
< 11 / 77 >

この作品をシェア

pagetop