孤高の大富豪は優しい魔女に恋をする
ダルはいつも幼馴染で片腕のロナウドに感謝している。

ロナウドもこの村に生まれた。

二人はケイパック城の裏庭で馬に乗ったり友人たちとポロに興じたりした。

大学も一緒にロンドンから電車で1時間余りのオックスフォードに通った。

二人は大学の近くに部屋も隣同士でアパートを借りた。

二人は兄弟のように育ちロナウドの家族はダルの家族でもある。

ロナウドがいなかったら五年前両親を亡くした時ケイパックコンチェルンとケイパック財団を引き継げなかっただろう。

そして三年前にケイパック城を中は近代的な設備が使える快適なホテルに改装してホテル業をやろうと言ったのもロナウドで、言い出したのだからといって総支配人を押しつけた。

でも支配人に仕事のできる男をヘッドハンテイングしてきて自分は時々目を光らせているだけでうまく運営しているのだ。

ダルも好きな馬の事業に乗りだした。

昔二人で駆けまわった所に牧場を作り、調教師を呼び競走馬の馬主にもなった。

牧場では引退した競走馬の種付けもしている。

牧場も信頼できる牧場長と調教師に任せている。

そしてホテルの客が楽しむホースセンターも作って観光客が馬に触れ合えるような仕組みも作ったのだ。

馬の方はダルの管轄で、去年も持ち馬のムーンナイトがイギリスダービーで優勝したのだ。

その時は自宅を開放し牧場関係者やホテル関係者たちも呼んで裏庭でBBQをやった。

懐かしい思い出だ。

ダルはロンバスを屋敷の横の厩舎に入れて、水と飼い葉を与えてブラッシングしてやった。

厩舎の横の車庫には何台もの世界の名車が並んでいる。

でもダルは普段はロンバスで移動するのが好きだ。

今日はメイドが来てくれたので、夕食も作ってあった。

電子レンジで温めてブラウンシチューと新鮮なサラダとパンをトースターで焼いて夕食にした。

食後にチーズとワインをもってデッキに出てチェアーに座って今日一日の事を思い返した。

シアという女性には驚かされる。

とても華奢で守ってあげたいと言う庇護欲を刺激する外見なのだが、内面は自分をしっかり持った凛とした生き方をしているように思える。

馬にも好かれると言っていたが、その通りにロンバスまでが勝手に彼女に寄って行ったのには驚いた。

先ほど厩舎に入れる時に”またシアに会いたいか?“と聞いたら首を何度も縦に振っていた。

ダルもロンバスとはそれ位の意思疎通はできるのだ。

明日、今日のお礼を伝えにシアの店に行ってみる事にした。

わざわざダルが出向く事はないかもしれないが、ダルももう一度シア会いたいと思ったのだ。

今日のお礼は言い訳だ。ただシアと話してみたかった。
< 16 / 77 >

この作品をシェア

pagetop