孤高の大富豪は優しい魔女に恋をする
その景色に圧倒されたシアは「わあ~~」と思わず叫んだ。

ロブもわんわん吠えながら湖に降りる階段を駆け下りて行った。

湖は少し低い所に水面があり湖畔に降りられるように木の階段が作られていた。

水の色が海のような深い青色をしている。

周りのグリーンの木々によって青色が強調されて見えるのかもしれない。

まるでダルの瞳の様だとシアは言葉も無く見入っていた。

馬を降りるとダルが二頭の馬を杭に括りつけてくれた。

ここはトレッキングでホースセンターの客もよく来るのだろう。

馬を繋ぐ杭があちこちに立てられている。

と言う事はこの森もこの湖もケイパック家の所有なのだろうか?

凄いと言うほかない。

隣りの馬具店のベステイがケイパックの領主様は大富豪だと言っていた意味がよく分かった。

今はケイパック家の本家にはダルしかいないらしくダルがその頂点に君臨しているらしい。

シアは自分が持ってきたサンドイッチが恥ずかしくなってきた。

湖畔に降りるとベンチもあった。

この湖はおとぎ話に出てくるような静謐で美しく気高い。

まるでこの森に君臨する女王様の様だ。

そう言うとダルが

「あはは、シアはロマンチックだなあ。俺はいつも見ているから慣れてしまったが、それでも毎日見せる顔が違うし日によって色も違うんだ。飽きることは無いよ」

シアはダルが”僕”ではなくて”俺”と言っているのに気付いて嬉しくなった。

シアに気を許してくれているのだ。

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