孤高の大富豪は優しい魔女に恋をする
またダルは競馬のレースに馬主として観戦しなくてはならず参加するレースがある七月から九月までは毎年ロンドンに滞在する事が多い。

十月のビックレースに参戦させるならその時に行けばいいので、ビューテイをこちらに連れて来るの九月末になるだろう。

シアとビューテイの再会の場面にはダルもいたかったのだ。

そして七月と八月はシアをレースに誘った。

いまダルの牧場には調教師が訓練している競走馬が二頭いる。

その二頭の競走馬は四月の初めにニューマーケット競馬場に隣接されているトレイニンググラウンドに送られており、そこで最終調整を掛けて六月ごろからレースに出す。

メダルロイヤルとゴールドバラスのニ頭だ。

来年にはもう一頭テオも調教が仕上がりそうなので、レースに出すつもりだ。

テオはシアに懐いていてシアにだけはおとなしく甘えているのだ。

調教師や厩務員はびっくりしている。

テオは機嫌が悪いと後ろ脚を蹴り上げたり前足で蹴ってきたり嚙みついたりもする暴れん坊なのだが、シアがいるとご機嫌でとても聞き分けが良いらしい。

調教師は一度シアに乗ってもらいたいと言っているが、ダルはOKを出さない。

テオはまだ信用できないからだ。

七月の二歳馬のレースにはメダルロイヤルを、八月のG1レースには三歳馬のゴールドバラスを出す予定だ。

ゴールドバラスは去年二歳馬でG1で優勝している。

今年は慎重に参加するレースを選ぶつもりだと調教師は言っていた。

大きなレースは土日に行われる。

そしてロンドンに一泊しなければならない。

シアは迷っていたが競走馬が走る姿を直接見たいと言う誘惑に負けて、土曜日に行われるレースに金曜日にお店を早めに閉めて、土曜日のみ休みにして出かける事にしてくれた。

マギーは土曜日一人で店を開けると言ってくれたそうだが、シアはマギーを一晩一人にするのが心配なので友達の家に泊りに行くように言ったようだ。
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