孤高の大富豪は優しい魔女に恋をする

幸せな二人

ダルはにぎやかな夕食も楽しくて好きなのだが、この頃はシアを独り占めできないのが不満だ。

お店もジュリアンに任せているからシアは家で、ハーブをブレンドしてシアオリジナルの茶葉を作ったりアロマキャンドルやサシェ,塗り薬などを相変わらず作っている。

ジュリアンにはまだそれを作る時間がないのと、シアの作る物ほどの効果がないらしいのだ。

シアの持つ植物に干渉する力はやはりジュリアンよりずっと強いのだろう。

キャッスルホテルのラウンジでもシアのオリジナルブレンドの茶葉を出している。

これがとても好評でお土産に買って帰れるようにリリーが手配した。

キャッスルホテルにはホテルオリジナルの物を売るショップがなかったので、今リリー達コンシェルジュチームがそんなショップの立ち上げにも関わっているようだ。

シアは朝が早い。朝起きるとまずビューテイに乗って牧場や森の中を掛けて運動させてやるのだ。

だからダルも自然と早起きになってロンバスに乗ってシアとビューテイと一緒に運動するするようとになった。

その時間はダルにとってシアと二人だけの時間で、誰もいない牧場や森や湖の周りを二人で駆けて行くのは至福の時なのだ。

月に一度は湖の反対側のケイパック家の墓地まで行って、両親に花を手向けてくる。

これもシアがそうしてくれるからだ。

シアの両親のお墓はないので、せめてダルの両親のお墓参りはきちんとしたいと言うシアの気持ちなのだ。

そんな時ダルはシアが愛おしくてたまらなくなる。

両親にシアを会わせてやれなくて本当に残念だ。

彼らにダルが見つけた“運命の花嫁“を会わせたかった。

朝のビューテイとロンバスとの運動の後は、シアの作る美味しい朝食を皆で食べる。

ダルはその後書斎で仕事をする。シアは卸しているハーブテイーやアロマを作ったり、薬草園の手入れをする。

ロンバスたちの厩舎の近くにシアの薬草園と温室を作ったのだ。

ジュリアンたちもシアが育てていた薬草を育ててくれているので、今ではかなりの量のホークオリジナルを作れるようになったらしく、週2回ほどは手伝いの人を頼んでいる。

ロブはキッチンで立ち働くシアの様子を見ながら、まるでシアを守っているようにロブ専用のソファーでゆっくりしている。

ロブはまるで人間の様だと、いつも思っている。

シアの言う事もわかるしダルの言う事もわかるのだ。

だがロブの気持ちはシアにしかわからないのだが…

九時過ぎにはロナウドたちもやって来て仕事を始めるので、WEB会議や打ち合わせが入っている時は事務所の方に行く。

そして昼過ぎホテルがひと段落した頃に、サンドイッチやシチューとパンなどの簡単なランチが届く。

シアがランチも作ると言ったのだが、シアの負担が多すぎるので却下した。

それに月に一週間ほどはダルとロナウドはロンドンの本社に行かなくてはいけない。

シアも連れて行きたいのだが、俺が仕事をしている間シアは何もする事が無いのは嫌だと言ってついてはこない。

ショッピングにでも行けばいいものを、何も強いて欲しいものはないし今はネットで何でも買えるのだからわざわざ行く必要はないと言って、あっけらかんとしている。

シアは案外強情でこうと決めたらなかなか考えを変えない。
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