孤高の大富豪は優しい魔女に恋をする
それよりどうも家出してきたらしい彼女の事の方が心配だ。

ロブは彼女を振り返りながら大通りの端の我が家に連れて行った。

家に入ってまずは濡れた服を着替えるように言ってバスルームを使わせた。

その間に食事の用意をして具だくさんの暖かいシチューと裏庭で撮れた野菜のサラダと今朝焼いたばかりのバターロールを用意した。

ちょっと早めの夕食だ。

シアはバスタブに湯を張ってゆっくり温まるように言った。

彼女はゆっくりバスタブに浸かって、持ってきたバックから服を出してスエットの上下に着替えていた。

後で濡れた物は一緒に洗うからマッドルームの洗濯機の所に置いておくように言うと彼女は戸惑った顔をした。

本当にこの大人を信用してもいいのかという思いがありありとその瞳に現れていた。

きっと沢山嫌な思いをして人間が信じられなくなっているのだろう。

食事をしながら彼女の境遇を聞き取りした。

最初は緊張していたがロブのお陰で、彼女マギー・リーはすぐにリラックスして食事をしてくれた。

東洋系の顔をした可愛い女の子だ。

リーというファミリーネームから中国系のハーフなのだろうと思われる。

背もそんなに高くはないし痩せている。痩せ過ぎていると言った方がいいだろう。

「美味しい」といって嬉しそうに出された分は綺麗に平らげてくれた。

特にサラダに掛かった特製のドレッシングが気に入ったらしく目を輝かせてサラダを食べていた。

彼女は1年前に両親を事故で無くしてスコットランドには親戚も居なかったらしく児童養護施設に連れて行かれてそこで今も生活しているらしい。

16歳になった今日施設を飛び出してきたらしい。

リーという名字で父親が中国人だったらしく施設の皆にいじめられていたそうだ。

シアはすぐに施設に電話をしてマギーを保護した事マギーの里親になる用意もある事を話した。

マギーは施設に帰りたくないと言っているので、できればそちらから自宅に来てもらえないかとお願いして施設の関係者や役所の関係者が次の日シアの自宅を訪ねて来てくれた。

里親になるならその環境が相応しいかチェックする必要もあり来てもらって丁度良かったのだ。

マギーは絶対に施設には帰らないと言い張り、いじめの内容も酷いものでマギーの体には見えない所にたくさんの痣があった。

シアは里親の書類が通ってマギーがここで暮らせるようになるまでこのまま預かると言った。

施設も役所の関係者もマギーの痣を見て言葉を無くしていた。

そう言う事情もあってマギーは施設に帰る事なくシアの家で暮らし始めた。
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