夫が出戻りの幼馴染と「焼け木杭に火がついた」と浮気していたので、そのまま燃やしてしまってもいいですよね?
「普通でしょ。貴族なんだから」
「まぁな……。あんな狂暴だったアリアが普通に貴族してるとはな」
「仕方ないじゃない。結婚したんだし」

 エールのジョッキをおろし、その泡を見つめる。
 ぷちぷちという小気味よい音をたて、だんだんと小さくなっていく泡たち。
 
「で、その結婚生活はどうなんだ?」
「……まぁ、悪くはないわよ」
「その言い方は、良くもないってことだろう?」

 思わず、私は顔を上げてノアを見る。
 透き通ったその瞳に、なぜか見透かされている気がした。

「そういう勘の鋭いとこ、昔から変わってないのね」
「おまえのこと、ずっと見ていたからな」
「……」

「無理はするなよ。もし離縁でもされたら……」
「あら、もらってくれるの?」
「そうだな。俺の第六夫人にでも検討しとくよ」

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