夫が出戻りの幼馴染と「焼け木杭に火がついた」と浮気していたので、そのまま燃やしてしまってもいいですよね?
「そうだ。今日なんだけど、幼馴染がこっちに戻ってきたみたいでね。ちょっと心配だから会ってもいいだろうか?」

 エドワードから幼馴染の話が出るのは初めてのことだったが、義母からなら何度か聞いたことがある。

 とても器量(きりょう)の良い男爵家の令嬢だったが、没落してしまった時に地方の貴族と政略結婚をしたのだという。

 一時は息子の嫁にと考えたものの、身分が~なんて言っていたっけ。

「戻って来たというのは……」
「なんか嫁ぎ先でいじめにあったらしくてね。子どもは産んだらしいんだけど、旦那さんが愛人を作った挙句に離縁されてしまったらしくって」

 子どもを産んでもその扱い。
 つくづく貴族令嬢という自分の身分が嫌になる。

 私だったらそんな旦那など、ボコボコに……。
 って、ダメね。そんなことしたら、お父様が激怒するくらいでは収まらないわよね。

「世継ぎを産んでもその扱いだなんて、可哀想ねぇ」

 そんな優しい言葉を言いながらも、義母の視線は全て私に向けられている。

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