夫が出戻りの幼馴染と「焼け木杭に火がついた」と浮気していたので、そのまま燃やしてしまってもいいですよね?
 エドワードはうちで幼馴染と会う予定だとは言わなかったけど、今こっちに身寄りがないなら家に呼んでいそうだものね。

 別に嫉妬とかそういうのじゃないけれど、どんな顔をして会えばいいのか分からないし、向こうだってきっと微妙よね。

「とりあえず、どこかで何か食べて……」

 重い腰を上げながらそう呟いた瞬間、どこからともなく悲鳴が聞こえてきた。
 
「ん? 何かあったのかしら」

 街の入り口の方から人々が一斉にこちらに向かって走ってくる。
 取り乱すように必死な彼らは、時折後ろを気にしていた。

 明らかに何かあった状況。
 野次馬根性(やじうまこんじょう)というわけではないが、私は一人人々の波をかき分け、小走りに街の入口へ向かった。

 そこにはすでに数名の冒険者たちがいた。
 
「お嬢ちゃん、ここは危険だから離れるんだ!」

 そんな怒号(どごう)が飛びながらも、彼らの視線の先にはかなり大型のモンスターがいる。

 大きさは冒険者たちの二倍はあるだろうか。
 背が低い私からしたら、三倍近いかもしれない。

 ややオオカミにも似たそのモンスターは、明らかにこの付近のものとは思えない大きさだ。

 それに街中までモンスターが入ってくるなど、今まで聞いたこともない。
 
「すごい」

 数名の冒険者たちは、そんな巨大なモンスターに怯むことなく戦いを挑んでいた。

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