世界で1番近い君と、1番遠い初恋

​その日の放課後、校門の近くで、彼女と並んで歩く幸平の姿を遠くから見かけた。

​幸平は彼女に笑顔を向けられていたけれど、その瞳は空洞のように冷たく、どこか壊れそうに歪んでいた。

​嫉妬よりも先に、強い悲しみが胸を締め付ける。


​(どうして……? どうしてそんなに苦しそうな顔をしてまで、彼女を途切れさせないの?)


​幼なじみだから。

寂しかったから。

そんな単純な理由ではない何かが、幸平を奥底で痛めつけている。

私を拒絶しながら、自分自身を傷つけ続ける幸平。

​夏の熱気が去り、すっかり冷え込んできた風が吹く中、私たちの張り詰めた糸はついに限界を迎えようとしていた。
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