世界で1番近い君と、1番遠い初恋

​────あの公園だ。


​秋の間、どれだけ避け合っていても、どれだけ言葉を交わさなくても、私の心の中心にいたのはずっと幸平だった。

​息を荒らしながら公園の入り口にたどり着いた私は、目の前の光景に息を飲んだ。

​雨煙る誰もいない公園の奥。

昔と変わらない古びたジャングルジムの下、ぬかるんだ土の上に座り込み、膝を抱えて丸くなっているひとりの男の子の姿があった。

​かさばる冬服を雨で重たく濡らし、身体をガタガタと酷く震わせながら、幸平は一人でそこにいた。


​「……幸平!」


​私は駆け寄り、幸平の前にひざまずいた。


​「こんなところで何してるの! 全身びしょ濡れじゃない! 風邪引いちゃうよ、立って!」


​幸平の冷たい手を掴もうと伸ばした私の手を、幸平は弾くように激しく振り払った。


​「……触るな!」


​激しい拒絶の声。

見上げた幸平の顔は、雨と涙でぐちゃぐちゃに濡れていた。

目の周りを真っ赤にし、絶望と自己嫌悪に歪んだその表情は、私を恐ろしいものを見るように見つめていた。


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