世界で1番近い君と、1番遠い初恋
私が叫びながらボロボロと涙を流し、幸平の背中に顔を押し付けると、幸平の身体からすーっと力が抜けていった。
幸平の手が、ゆっくりと私の背中に回される。
指先が壊れものを扱うように震えながら、私の制服を強く握りしめた。
「瑠華……瑠華ぁ……っ! 逢いたかった……っ! 死ぬほど逢いたかったよ……っ!」
子供のように声を上げて泣く幸平。
あの小学4年生の夏の日、離れ離れになった時から止まっていた幸平の涙が、冬の雨の中で一気に溢れ出していた。
「ずっと……お前だけが好きだった……! 瑠華じゃなきゃ嫌だったんだよ……っ!」
「うん……知ってる。知ってるよ、幸平……」
冷たい豪雨の中、私たちはぬかるんだ土の上でお互いを強く強く抱き締め合った。
雨の冷たさなんて、もう何も感じなかった。
お互いの体温と、溢れ出る涙の温もりだけが、確かに二人の胸を満たしていた。
遠回りをして、お互いを深く傷つけ合ってしまったけれど。
9年という長い歳月を経て、私たちはついに、本当の意味で再会することができたのだ。