君の世界に、私はいない
第2話 知らない女の子
それから、彼のことを考える時間が増えた。
会える日は、少しだけ楽しみになった。
彼がギターを持っていると、つい目で追ってしまう。
話せた日は、帰ってから何度もその会話を思い出す。
――私、もしかして。
そう思った瞬間、慌てて首を横に振った。
違う。
まだ、違う。
そんな簡単に好きになるわけない。
そう思っていたのに。
ある日、彼の元カノの話を聞いた。
「前付き合ってた子がいてさ」
その一言だけで、胸がざわついた。
知らない女の子。
私が出会うより前から、彼の隣にいた女の子。
どんな子だったんだろう。
どれくらい好きだったんだろう。
どうして別れたんだろう。
聞きたい。
でも、聞きたくない。
「へえ、そうなんだ」
私はできるだけ普通に返した。
本当は全然、普通じゃなかった。
帰ってからも、その話が頭から離れない。
彼の過去に私はいない。
当たり前なのに、それが悔しかった。
私が知らない時間を、彼はその子と過ごしていた。
私が知らない思い出を、彼は持っている。
そう考えると、胸の奥がぎゅっとなる。
――私じゃ、だめなのかな。
まだ何も始まっていないのに。
まだ「好き」とさえ伝えていないのに。
私はもう、彼の過去に嫉妬していた。
その日、スマホを開く。
彼とのトーク画面。
最後に届いたメッセージを、また読み返す。
『お気をつけて』
たった四文字。
それだけで嬉しくなった自分が、なんだか可笑しくて。
私は小さく笑った。
そして、気づいてしまった。
私、もう。
この人のこと――
好きなのかもしれない。
それから、彼のことを考える時間が増えた。
会える日は、少しだけ楽しみになった。
彼がギターを持っていると、つい目で追ってしまう。
話せた日は、帰ってから何度もその会話を思い出す。
――私、もしかして。
そう思った瞬間、慌てて首を横に振った。
違う。
まだ、違う。
そんな簡単に好きになるわけない。
そう思っていたのに。
ある日、彼の元カノの話を聞いた。
「前付き合ってた子がいてさ」
その一言だけで、胸がざわついた。
知らない女の子。
私が出会うより前から、彼の隣にいた女の子。
どんな子だったんだろう。
どれくらい好きだったんだろう。
どうして別れたんだろう。
聞きたい。
でも、聞きたくない。
「へえ、そうなんだ」
私はできるだけ普通に返した。
本当は全然、普通じゃなかった。
帰ってからも、その話が頭から離れない。
彼の過去に私はいない。
当たり前なのに、それが悔しかった。
私が知らない時間を、彼はその子と過ごしていた。
私が知らない思い出を、彼は持っている。
そう考えると、胸の奥がぎゅっとなる。
――私じゃ、だめなのかな。
まだ何も始まっていないのに。
まだ「好き」とさえ伝えていないのに。
私はもう、彼の過去に嫉妬していた。
その日、スマホを開く。
彼とのトーク画面。
最後に届いたメッセージを、また読み返す。
『お気をつけて』
たった四文字。
それだけで嬉しくなった自分が、なんだか可笑しくて。
私は小さく笑った。
そして、気づいてしまった。
私、もう。
この人のこと――
好きなのかもしれない。

