いちご色の恋予報♡
そんなある日。
放課後の教室で、いちかは机の中に入っていた一通の手紙を見つけた。

今日、旧校舎の裏に来てください。

差出人の名前はない。
胸をどきどきさせながら向かうと、そこにいたのは同じ学年の人気者、川崎先輩だった。

「白石さん。前から気になってたんだ」

まさかの告白に、いちかは息をのむ。

「ご、ごめんなさい、急すぎて……」

返事に困っていると、後ろから冷たい声がした。

「その顔、困ってるでしょ」

振り返ると、そこには莉久が立っていた。

川崎先輩が苦笑する。

「神谷、おまえ関係なくない?」

「あるけど」

その一言に、いちかの心臓が止まりそうになる。

莉久はまっすぐいちかを見て、静かに言った。

「白石、帰るよ」

「え……」

「嫌なら行かない。でも」

一歩近づいて、いちかにしか聞こえない声で続ける。

「他のやつに取られるの、無理」

夕焼けが、ふたりのあいだをいちご色に染めていた。

いちかはぎゅっとスカートを握りしめる。
恥ずかしくて、うれしくて、胸がいっぱいになる。

「……帰る」

そう答えると、莉久は少しだけ安心したように笑った。

その帰り道。
並んで歩くふたりの手が、何度も触れそうになっては離れる。

やがて莉久が立ち止まった。

「白石」

「な、なに?」

「もう限界」

「え?」

「好き。ずっと前から」

やさしい春風が吹く。
桜の花びらが、ふたりの肩にふわりと落ちた。

「朝ぶつかった日から、気になってた。たぶん、あの日からずっと」

いちかの頬は、いちごみたいに真っ赤になる。

「私も……好き」

その言葉を聞いた瞬間、莉久は目を見開いて、それからすごく大事なものを見るみたいに、いちかを見つめた。

「ほんとに?」

「ほんと……」

次の瞬間、そっと手を握られる。
大きくて、少しだけあたたかい手。

「もう離さない」
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