どん底の中で、救ってくれたのは君でした。ー元歌姫の私と、君がくれた光の物語ー
第一章
春のやわらかな風が、制服のすそを揺らした。
見上げた先にあるのは、私には似合わないくらいきらびやかな門。
全国から優秀な生徒が集まる名門、星皇学園。
本来ここに立つはずだったのは、私じゃない。
妹の代わりに入学しただけ。
ばれたら終わり。
だから私は今日から、要乃愛ではなく、妹として生きる。
「……大丈夫。ちゃんと笑って、ちゃんと隠すの」
自分に言い聞かせるようにつぶやいて、黒縁メガネを指で押し上げた。
長い髪は肩で切りそろえ、目立たないように前髪も下ろした。
昔の私を知る人が見たって、たぶんすぐにはわからない。
もう私は、あの“歌姫”じゃないんだから。
かつてステージの上で歌っていた私は、ある日突然すべてを失った。
信じていた人に裏切られて、心ない言葉に傷ついて、声まで出なくなった。
あんなに好きだった歌は、今では思い出すだけで胸が痛む。
だからもう二度と、知られたくない。
過去も、本当の名前も、全部。
見上げた先にあるのは、私には似合わないくらいきらびやかな門。
全国から優秀な生徒が集まる名門、星皇学園。
本来ここに立つはずだったのは、私じゃない。
妹の代わりに入学しただけ。
ばれたら終わり。
だから私は今日から、要乃愛ではなく、妹として生きる。
「……大丈夫。ちゃんと笑って、ちゃんと隠すの」
自分に言い聞かせるようにつぶやいて、黒縁メガネを指で押し上げた。
長い髪は肩で切りそろえ、目立たないように前髪も下ろした。
昔の私を知る人が見たって、たぶんすぐにはわからない。
もう私は、あの“歌姫”じゃないんだから。
かつてステージの上で歌っていた私は、ある日突然すべてを失った。
信じていた人に裏切られて、心ない言葉に傷ついて、声まで出なくなった。
あんなに好きだった歌は、今では思い出すだけで胸が痛む。
だからもう二度と、知られたくない。
過去も、本当の名前も、全部。