『みすとら』  不思議な恋の物語

既視感(デジャヴュ)

「・・・という訳よ」
「大変だったね~」わたしはねぎらいました。
広い広い体育館は、バレーボールのコートが8面もとれるほどの広さでした。その体育館の真ん中に私たちは固まって座っていました。生徒よりもずっと多い数の先生たちは、体育館の壁に沿って立って校長先生の話を聞いています。だから私語をしていても、今まで注意されたことはありませんでした。それでも集会では毎回、一応静かに話が終わるのを聞いていました。

セミが、みんみん鳴いていました。
風は、すこしだけ優しく吹いてくれました。
体育館の中は、ごあいさつ程度の冷房が効いていました。
だから、汗が滴り落ちるほど気温が鬱陶しくはありませんでした。
ですが、過ごしやすく感じるほど快適でもありませんでした。
「(エアコンを動かしているんだから、窓を閉めて欲しいな~)」校長先生は、街なかの危険性を強調する話をしていました。
「(そう言えば、私は、今年の夏休みに、何をしたっけ・・・?)」と考えているうちに、頭がボ~ッとしてきました。この感じは、小学1年生だった頃の夏休み明けの全校集会の感じと似ていました。だから私は、その時のことを思い出していました。

【私の回想シーン】
「・・・ですから、外の世界は危ないので、決して学校の外には出ないで下さい」
「(あれ? 校長先生は、また同じ話をしているの?)」私は、校長先生の話を聞き流しながら妄想していました。
「は~いい!!」
「(そよりさん、かわいい~)」
「は~い!」
「(ここあちゃんは、相変わらず素直ね~。か~わいい)」
「あは~」
「(カスミは、相変わらず同じ反応(リアクション)だ。かわいいね~)」一人ひとりの昔の面影をみていると、突然、みんなの歓声がわき上がりました。
「やった~!」ユキが大喜びしていました。
「ええぇ~! 今から~?」ここあちゃんは、戸惑っていました。
「だれだろう~」カスミが言いました。
「ユキちゃん、ど~したの?」私が、となりで喜んでいるユキに聞くと、ユキはニコやかに答えました。
「校長先生の話を聞いていなかったの? 今から、私たちみんなに結婚相手を紹介するんだって!」
「! え? 何言ってるの?」私は、驚きながら喜びました。
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