ノースポールの花が咲く前に〜ルーチェと光〜
「さよなら」

ルーチェがそう呟くと同時に、杖の先から光線が飛んでいく。放たれた光線は、モンスターの体を貫いた。

『……何故……この世界の……方が……』

モンスターの姿は黒い塵となって消えていく。ルーチェは完全にモンスターが消えたのを確認した後、息を吐いた。刹那、肩を強く掴まれる。

「わっ!」

ルーチェが振り返ると、光が目を輝かせていた。そして早口で喋り出す。

「ねぇ、さっきのって魔法!?あの変な生き物は何?ルーチェは異世界から来たの?なんだか小説みたいですごい!!」

「あ〜、まぁ、うん。異世界から来たのは本当」

でも自分の正体を言うことはしてはいけないと思い、ルーチェは口を閉ざした。光が不思議そうに首を傾げる。

「でも、異世界から来たのにテレビとかに反応示さないんだね。普通、「これ何?」ってなると思うんだけど……。異世界にもテレビとかあるの?」

もちろん存在しない。もしも、この世界に来たのがクラルやギルバートなど元々あの世界に住んでいる人なら話は違っただろう。
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