一か月だけの契約妻のはずが、恋愛経験ゼロの私を社長が溺愛してきます
た私は、いつものように自分のデスクにつくと、パソコンの電源を入れた。
 メールを確認していると、社内メールが一通届いていることに気づいた。
 件名は――
【創立三十周年記念パーティー開催のお知らせ】
「……なんだろう?」
 開いてみると、一か月後に会社の創立三十周年を迎えるにあたり、社員向けの記念パーティーを開催するという案内だった。
 会場は、会社からほど近いホテル。
 参加は自由。
 ただし、出欠については事前に返信してほしいとのことだった。
「三十周年かぁ」
 メールを読み終えたところで、出勤してきた小野さんたちが話し始めた。
「パーティーって、ホテルなんですよね?」
「そうみたい。料理も結構いいらしいよ」
「えー、楽しみ!」
 事務所のあちこちから、そんな声が聞こえてくる。
 どうやらみんな、すでに参加するつもりらしい。
「水野さんは参加されますよね?」
 藤崎さんに声をかけられ、私は一瞬言葉に詰まった。
「う~ん……どうしようかなって」
「えっ、行かないんですか?」
「まだ予定がわからないから」
 曖昧に答えると、藤崎さんが「ああ」と納得したように頷いた。
「そっか。旦那さんに確認しないとですよね」
「……」
 返事ができなかった。
 行きたくない。
 できることなら、欠席したい。
 パーティーに参加すれば、当然、同僚たちと話をすることになる。
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