一か月だけの契約妻のはずが、恋愛経験ゼロの私を社長が溺愛してきます
「せやったな」
「たっちゃんのおかげだよ」
「……そうか」
 照れくさそうに笑ったあと、たっちゃんは湊を見る。
「湊」
「はい」
「彩乃、めちゃくちゃ面倒くさい女やけどな」
「ちょっと、たっちゃん!」
「ほんまのことやろ」
 湊さんは笑いながら私を見る。
「大丈夫です」
「何がや?」
「全部、受け止めますから」
 たっちゃんが一瞬、黙った。
 それから、にやりと笑う。
「……ほな、任せた」
「はい」
「ただしな!」
 たっちゃんが指を一本立てる。
「彩乃泣かしたら、俺が許さんからな!」
「わかっています」
「あと、喧嘩したら先に謝れ!」
「はい」
「彩乃は意地っ張りやから!」
「たっちゃん!」
「なんやねん!」
「湊さんに余計なこと言わないで!」
「今さら何言うとんねん! もう夫婦やろ!」
「そうだけど!」
「ほなええやないか!」
 たっちゃんが豪快に笑う。
 私も、湊さんも笑った。
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