一か月だけの契約妻のはずが、恋愛経験ゼロの私を社長が溺愛してきます
シンクの前に立つと、手際よく食器の汚れを落としていく。
慣れている。
それが見ているだけでもわかった。
そして、そのまま食洗機に食器を入れた。
「……」
私は何も言えず、その様子を眺めていた。
こういうところも、知らなかった。
今日一日だけでも、知らなかった湊さんの一面をいくつも見ている気がする。
食洗機の動く音がした後だった。
「コーヒー飲まない?」
「コーヒーですか?」
「いつも食後に飲むんだ」
「あ……はい」
私は頷いた。
湊さんが慣れた手つきでコーヒーを淹れる。
豆を用意する手つきも、湯を注ぐ動作も自然だった。
まるで、毎日こうしているのが当たり前みたいに見える。
ほどなくして、香ばしい匂いがリビングに漂った。
さっきまでのカレーとは違う、落ち着く香り。
私はその匂いを吸い込みながら、少しだけ肩の力が抜けていくのを感じた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
差し出されたカップを両手で受け取る。
湯気の向こうに、湊さんの顔が見えた。
私は一口飲んでみる。
「……美味しい」
「よかった」
湊さんも自分のカップを手に、ソファに腰を下ろした。
私も少し遅れて、その向かい側に座る。
食事が終わったあとの静かな時間。
さっきまでなら、何を話せばいいのかわからなくなっていたかもしれない。
けれど、今は不思議と気まずくなかった。
慣れている。
それが見ているだけでもわかった。
そして、そのまま食洗機に食器を入れた。
「……」
私は何も言えず、その様子を眺めていた。
こういうところも、知らなかった。
今日一日だけでも、知らなかった湊さんの一面をいくつも見ている気がする。
食洗機の動く音がした後だった。
「コーヒー飲まない?」
「コーヒーですか?」
「いつも食後に飲むんだ」
「あ……はい」
私は頷いた。
湊さんが慣れた手つきでコーヒーを淹れる。
豆を用意する手つきも、湯を注ぐ動作も自然だった。
まるで、毎日こうしているのが当たり前みたいに見える。
ほどなくして、香ばしい匂いがリビングに漂った。
さっきまでのカレーとは違う、落ち着く香り。
私はその匂いを吸い込みながら、少しだけ肩の力が抜けていくのを感じた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
差し出されたカップを両手で受け取る。
湯気の向こうに、湊さんの顔が見えた。
私は一口飲んでみる。
「……美味しい」
「よかった」
湊さんも自分のカップを手に、ソファに腰を下ろした。
私も少し遅れて、その向かい側に座る。
食事が終わったあとの静かな時間。
さっきまでなら、何を話せばいいのかわからなくなっていたかもしれない。
けれど、今は不思議と気まずくなかった。