一か月だけの契約妻のはずが、恋愛経験ゼロの私を社長が溺愛してきます
会員様が誰かを好きになって、その人と一緒に生きていきたいと思えるようになる。
その瞬間を、そばで見届けられる。
それは、カウンセラーとして何より嬉しいことだった。
『これからも水野さんみたいな人になれるように、私も頑張ります』
「もう十分素敵な方ですよ。どうか彼と幸せになってくださいね」
『はい!』
電話を切ったあともしばらく、耳の奥には近藤さんの嬉しそうな声が残っていた。
私は受話器を置いたまま、しばらくぼんやりとその余韻に浸っていた。
そして、近藤さんが初めてここへ来た日のことを思い出す。
実は彼女、私が担当することになった頃には、かなりの問題会員だった。
最初に担当したのは藤崎さんだった。
入会時から、近藤さんの希望条件ははっきりしていた。
年収はこれ以上。
年齢は自分より上でも数歳まで。
できれば高身長で、見た目も好みのタイプ。
その条件に少しでも合わない男性は、紹介しても会おうとしなかった。
ようやくお見合いまで進んでも、
「服装がダサかった」
「エスコートがいまひとつだった」
「会話がつまらなかった」
と、なかなか仮交際に進まない。
藤崎さんも何度も彼女と話し合った。
けれど、近藤さんは自分に原因があるとは考えなかった。
いい人がいない。
男性側の対応が悪い。
紹介の仕方が悪い。
いつも原因は自分以外にあった。
とうとう藤崎さんから相談を受け、私が担当を引き継ぐことになったのだ。
そこから、近藤さんとの長い婚活が始まった。
一般的には、入会から半年ほどで成婚へ進む人も多い。
けれど、近藤さんはそう簡単にはいかなかった。
その瞬間を、そばで見届けられる。
それは、カウンセラーとして何より嬉しいことだった。
『これからも水野さんみたいな人になれるように、私も頑張ります』
「もう十分素敵な方ですよ。どうか彼と幸せになってくださいね」
『はい!』
電話を切ったあともしばらく、耳の奥には近藤さんの嬉しそうな声が残っていた。
私は受話器を置いたまま、しばらくぼんやりとその余韻に浸っていた。
そして、近藤さんが初めてここへ来た日のことを思い出す。
実は彼女、私が担当することになった頃には、かなりの問題会員だった。
最初に担当したのは藤崎さんだった。
入会時から、近藤さんの希望条件ははっきりしていた。
年収はこれ以上。
年齢は自分より上でも数歳まで。
できれば高身長で、見た目も好みのタイプ。
その条件に少しでも合わない男性は、紹介しても会おうとしなかった。
ようやくお見合いまで進んでも、
「服装がダサかった」
「エスコートがいまひとつだった」
「会話がつまらなかった」
と、なかなか仮交際に進まない。
藤崎さんも何度も彼女と話し合った。
けれど、近藤さんは自分に原因があるとは考えなかった。
いい人がいない。
男性側の対応が悪い。
紹介の仕方が悪い。
いつも原因は自分以外にあった。
とうとう藤崎さんから相談を受け、私が担当を引き継ぐことになったのだ。
そこから、近藤さんとの長い婚活が始まった。
一般的には、入会から半年ほどで成婚へ進む人も多い。
けれど、近藤さんはそう簡単にはいかなかった。