氷の君に、恋の歌を。
その日、森下乃愛は知った。
氷のように冷たいと思っていた彼が、誰よりもやさしい熱を隠していることを。
そして一宮蓮斗は、まだ知らない。
自分が何気なく差し出したその手が、乃愛の止まっていた時間を、少しずつ動かし始めていることを。
恋はきっと、こんなふうに始まる。
静かで、甘くて、胸が痛いほどまぶしい春の日に。
氷のように冷たいと思っていた彼が、誰よりもやさしい熱を隠していることを。
そして一宮蓮斗は、まだ知らない。
自分が何気なく差し出したその手が、乃愛の止まっていた時間を、少しずつ動かし始めていることを。
恋はきっと、こんなふうに始まる。
静かで、甘くて、胸が痛いほどまぶしい春の日に。


