氷の君に、恋の歌を。

第十三章

その日の授業中、乃愛はずっと落ち着かなかった。

朝、蓮斗に言われた言葉が頭から離れない。
昨日のお礼をちゃんとしたい。
しかも放課後まで秘密だなんて、気にならないわけがなかった。

隣を見るたび、蓮斗はいつも通り静かな顔をしている。
ノートを取る手も、先生の話を聞く横顔も、全部普段と変わらない。

でも乃愛だけは知っている。
その冷静な顔の奥に、甘いことを考えている蓮斗がいることを。

放課後のチャイムが鳴った瞬間、乃愛の心臓は朝よりずっと速くなった。
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