氷の君に、恋の歌を。
「……乃愛」

低い声。
でもいつもよりずっと熱がこもっている。

「それは、だめだろ」

「え……」

「かわいすぎて、理性なくなる」

真顔でそんなことを言われて、乃愛の頬はさらに赤くなる。

「だ、だって……お礼、言いたかったし」

「キスで?」

「う……」

言い返せなくなると、蓮斗は深く息をついた。
まるで本気で困っているみたいだった。

「俺ばっかり余裕ないの、ずるいと思ってたけど」

蓮斗の指が、そっと乃愛の頬に触れる。

「乃愛も同じくらいずるい」

そのまま、額がこつんと触れ合う。
近い。
甘い。
息が混ざりそうな距離で、蓮斗が小さく笑った。

「自分からしておいて、そんな顔するな」

「ど、どんな顔……?」

「もっとしたくなる顔」

そのひと言に、乃愛はもう何も言えなくなった。
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