高校時代の同級生にしっかりと溺愛されていました
唇が離れると、再び強く抱きしめられた

「あー、すげぇ幸せ。
生きててよかったぁーーー。」
「うふふふ、大袈裟じゃない?」
「いやいや、めっちゃ嬉しいんだもん。」
さらにもっともっと強く抱きしめられた。

その後も潤くんはニコニコしたまま。
手をつないだまま、他の部屋も案内してくれる。
リビングの横が寝室、もう一つ隣が仕事部屋。

さらにどうしても気になって、
「ねぇねぇ、お風呂も広い?」と聞いてみた。
「いや、普通だよ。」と廊下に出て、脱衣所の中を見せてくれる。
広い洗面化粧台の奥の扉を開けると、少し広めの立派なお風呂があった。

「やっぱり、ひろーーい。オトナ4人は入れそう。」とのぞきこむ。
「そんなにやだよ、優子ちゃんと2人がいい。」
と背後で潤くんが笑いながら言う。
振り返ると再びすっぽりと抱きしめられた。
「あ、そういう意味じゃないんだよ、うん、2人で、ね。」
と言いながら、潤くんを見上げて赤面してしまった。

「そんな顔しないでよ。」
潤くんの顔がぐっと近づいてくると、
「おれ、我慢してんだから。」と言い、もう一度キスをされた。

その後ダイニングに戻って、お昼ご飯の準備をしようとキッチンに入る。
すっきりきれいだなと思いつつ、了解を得て、大きなシステムキッチンのあらゆる扉を開くが、
お皿や料理器具、調味料が見事にないことに驚く。
「言っただろ。ほんとに何にもしてないんだって。」
「うん。
ほんとここまでキレイだとは思わなかった。」
必要最低限のお皿とグラス、お箸やフォーク、スプーンしかない。
ほかは、電気ケトル、電子レンジと冷蔵庫。そして、これだけはこだわったのであろう上質なイタリア製のコーヒーメーカー。
鍋もフライパンも炊飯器もないのだ。

私が家で作ってきたハンバーグをメインに、買ってきたサラダ、バゲットなどを
あるだけのお皿と、持ってきた容器でなんとか並べる。
ダイニングテーブルに2人で向き合って、手を合わせる。
「いただきます。」
「いただきます。」

「うまっ!」
潤くんが感激してくれる。
「うふふふ、でしょー。ハンバーグは自信作なの。」
結婚しようと思ってた時にね、と言いかけたが、わざわざ過去を話す必要はないと思い直す。
「一時期、料理教室に行って、一通り基本を教えてもらったの。
仕事が忙しくなって、半年通っただけなんだけど。
楽しくなって、週末はなるべく作るようにしてるの。」
潤くんは、ハンバーグを気持ち良くぺろりと片付けてくれた。
やっぱり食べてくれる人がいるのはとても嬉しい。

食後、リビングのソファーに並んで座って、潤くんが淹れてくれたコーヒーを飲みながら、喋り続ける。
思えば、お付き合いしてる人と、こんなに喋るのははじめてかもしれない。
今までの人ってどうしてたっけ??
こんなに話に夢中になったことなんてなかったかもしれない。
とても不思議な感覚にとらわれる。

それにわざわざ終わった恋を思い出す必要もないかな。
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