俺様王子と空とキス。
すると、顔をあげた一ノ瀬がゆっくりと私に近づく。
「……俺もう無理だわ、ゲームオーバー。」
「……?」
なにを言っているのか理解が追い付かない。
だって散々私の事振り回してゲームオーバするなよって…あんたが言ったんじゃん。
「…鈍感すぎだろ。……お前のこと、好きだって言ってんだろ。」
「は、え………?」
す、好き?一ノ瀬から、“好き”って言葉初めて聞いたけど。
口を開けば『おい』、『行くぞ』、『ぶっ飛ばす』しか言ってこなかった、あの一ノ瀬が…?
私はきょとんとしたまま、彼の顔をみつめた。
「…アイツのこと好きなんだろ?」
「…え?…う、ううん、ちが「じゃあな、話はそれだけだから。」
…は?なんで。なんでなんでなんで。
ねぇ、最後まで話…聞いてよ。
いつもみたいな強引さはまったくなくて。
一瞬だけ見えた彼の顔は、儚げな表情で。
ふり返った時には、もう一ノ瀬の姿はみえない。
「…好きって、言おうとしたのに…。」
一人屋上に取り残された私は、夕暮れの空を見上げた。