俺様王子と空とキス。
EP9✳︎俺様王子と空とキス
「一ノ瀬くんと話したの?」
放課後、私と愛美は文化祭の準備中。
私達のクラスは、メイド喫茶をやる事になったのだ。
「話そうとしたんだけど、途中でいなくなった…。」
「なにそれ、どゆこと?」
愛美に屋上での出来事を話しながら、愛美の衣装の採寸中。
あっ、もちろん、私は着ないよ?
「そろそろちゃんと伝えなきゃと思ったんだけど…なんか勘違いしてるっぽい。はい後ろ向いて~」
「もう一回話に行きなよ~多分まだ教室にいると思うけど。」
愛美のウエストを図りながら、『ううーん…』と返事をした。
ってか、愛美ほっそ…羨ましすぎですわ。
「きゃ~!!一ノ瀬くん似合う~!!」
“一ノ瀬”の名前にいつもよりも敏感になっている私。
ふと顔をあげると、黒い衣装を着ている一ノ瀬が、廊下で女子達に囲まれているのだ。
隣のクラスはお化け屋敷をやるみたい。
「今日は…いいや。」
あの状況で話しかけに行くとか、ちょっと気が引けるし。
そんな勇気は到底持ち合わせていないのだ。