【試し読み】年下わんこなパイロットと思いきや、腹黒な雄の愛の罠に絡めとられました【極上のギャップ男子シリーズ】
プロローグ
プロローグ

 恋愛は、フライトと似ている。

 目的地を決め、航路を引き、天候を調べ、燃料を積み、万が一に備える。

 準備を怠らないから、乗客は安心して空を飛べる。

 恋愛もきっと同じだ。

 好きな人を幸せにしたいなら、行き当たりばったりじゃだめだ。

 だから俺は、ぬかりなく準備した。

 努力をした人に神様は優しい。

 訪れたチャンスを逃すわけなどない。



「風早副操縦士、またファンレターとプレゼントですよ。受付が大変そうですから、後でロッカーに入れておきますね」

「あ、ありがとうございます。お手数おかけしました」

 今時、丁寧に手紙やプレゼントを送ってくれるのはありがたい。

 爽やかな笑みを浮かべ、お辞儀をする。さわやかで人懐っこい、社内における『完璧な好青年・風早天翔』の定番の顔だ。



 だが――パイロットラウンジの角、誰もいない死角に入った瞬間、その表情からフッと笑みが消える。

 無造作に束ねられた封筒を一瞥し、天翔は冷ややかな瞳を向けた。

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