薫る雨の匂いに彩りを
ぎゅと心臓が縮まって、生きた心地もしないまま私は黙っていた。
たらりと冷や汗が背筋を伝っていく。
「綾音さん、しおり作りで良いのよね?」
委員長がやや気まずそうに言ったのに小さく頷いた。瑠璃達の不満そうな視線が突き刺さり、居心地が悪くなる。
私だって嫌だ。繊月くんと同じ係なんか。しおり作りなんか。
「はい。それでは係が決まりましたので皆さん準備を進めておいてください」
きびきびとした声が辺りに通っていく。
瑠璃と桜華は、私をじっと見つめていた。
*
帰りの電車に乗り込むと私はいつもと同じように小説投稿サイトを開いた。
小説は好きだ。物語を読むことも、書くことも大好きだ。
小説の中では私は綺麗で可愛くて優しい女の子でいられて、格好よくて頭も良い、完璧な男の子と恋をすることができる。
たとえ私自身がどれだけ駄目であっても、小説だけは肯定してくれているから。
そして、私にはもう一つの楽しみがある。
「まだか……」
ぽつりと零れる言葉。
今私は、人生で初めてのコンテストに応募している。私にしては良く書けたと思うもので、応募数が多いと言ってもかなり自信はあった。
素敵な王子様に綺麗なお姫様。
私は今日もその空想を言葉におこして、投稿する。
たらりと冷や汗が背筋を伝っていく。
「綾音さん、しおり作りで良いのよね?」
委員長がやや気まずそうに言ったのに小さく頷いた。瑠璃達の不満そうな視線が突き刺さり、居心地が悪くなる。
私だって嫌だ。繊月くんと同じ係なんか。しおり作りなんか。
「はい。それでは係が決まりましたので皆さん準備を進めておいてください」
きびきびとした声が辺りに通っていく。
瑠璃と桜華は、私をじっと見つめていた。
*
帰りの電車に乗り込むと私はいつもと同じように小説投稿サイトを開いた。
小説は好きだ。物語を読むことも、書くことも大好きだ。
小説の中では私は綺麗で可愛くて優しい女の子でいられて、格好よくて頭も良い、完璧な男の子と恋をすることができる。
たとえ私自身がどれだけ駄目であっても、小説だけは肯定してくれているから。
そして、私にはもう一つの楽しみがある。
「まだか……」
ぽつりと零れる言葉。
今私は、人生で初めてのコンテストに応募している。私にしては良く書けたと思うもので、応募数が多いと言ってもかなり自信はあった。
素敵な王子様に綺麗なお姫様。
私は今日もその空想を言葉におこして、投稿する。