薫る雨の匂いに彩りを
「薫子、繊月くんと一緒じゃん」
瑠璃が眉をひそめてそう言った。桜華からも非難するような視線が飛んでくる。
「あ、私、しおり作り代わるよ。ね、空和。空和、やってくれる?」
空和の顔がぱっと華やぐ。嬉しそうな顔をしてこくんと頷いた。
他のクラスメイトにばれないうちにさっと名前を書き換えて、席に着いた。それなのに。
「え、薫子ちゃんじゃないの」
クラス中に響き渡る、馬鹿でかい声で繊月くんが言った。殆どの視線が私に集まり、顔がどんどん熱くなっていくのを感じる。
手がかたかたと震えて、顔は熱いのにどんどん冷たくなっていく。
息を吸って吐くことはできるのに
『違うの。最初から空和だった』
それをいうことが出来なかった。数え切れないほどあの日、あの時から嘘をついてきたはずなのに繊月くんを前にすると何もでてはこなかった。
「……代わったの」
やっとでてきた声はひどく掠れた、小さなものだった。
「私がやりたいって言って、薫子に代わって貰ったの!」
空和が慌てたように言った。繊月くんは切れ長の目を空和に向け、心なしか冷たい顔をした。
「なんで」
やめてよ。これ以上壊さないで。黙ってたら良かったじゃない。
委員長も何事かと手を止め、こちらを見ている。空和は『なんで』という問いに対しての答えを探すように固まっていて、瑠璃と桜華は二人だけで何かを話している。
「俺、有本がやるんならやらない。薫子ちゃんがやるんなら、やる」
瑠璃が眉をひそめてそう言った。桜華からも非難するような視線が飛んでくる。
「あ、私、しおり作り代わるよ。ね、空和。空和、やってくれる?」
空和の顔がぱっと華やぐ。嬉しそうな顔をしてこくんと頷いた。
他のクラスメイトにばれないうちにさっと名前を書き換えて、席に着いた。それなのに。
「え、薫子ちゃんじゃないの」
クラス中に響き渡る、馬鹿でかい声で繊月くんが言った。殆どの視線が私に集まり、顔がどんどん熱くなっていくのを感じる。
手がかたかたと震えて、顔は熱いのにどんどん冷たくなっていく。
息を吸って吐くことはできるのに
『違うの。最初から空和だった』
それをいうことが出来なかった。数え切れないほどあの日、あの時から嘘をついてきたはずなのに繊月くんを前にすると何もでてはこなかった。
「……代わったの」
やっとでてきた声はひどく掠れた、小さなものだった。
「私がやりたいって言って、薫子に代わって貰ったの!」
空和が慌てたように言った。繊月くんは切れ長の目を空和に向け、心なしか冷たい顔をした。
「なんで」
やめてよ。これ以上壊さないで。黙ってたら良かったじゃない。
委員長も何事かと手を止め、こちらを見ている。空和は『なんで』という問いに対しての答えを探すように固まっていて、瑠璃と桜華は二人だけで何かを話している。
「俺、有本がやるんならやらない。薫子ちゃんがやるんなら、やる」