無自覚に胸キュンさせてくる御曹司が対処しにくい。
「藤香ちゃんは僕と話す時に緊張するの?」

「うん、だからこれからもっと……」

「それでも、僕といれて楽しいって?」

「うん」

煌也くんが目を細めて、泣きそうになっている気がした。

理由が分からず、煌也くんに駆け寄ってしまう。

「煌也くん、大丈夫?」

答えが返って来ない代わりに、煌也くんが私の頬に手を当てた。

「それ、無自覚? ……って聞くまでもないよね、藤香ちゃんだもん。本心で言ってるんだよね」

煌也くんの顔から目が離せないまま、上手く言葉を紡(つむ)げない。

私が声を出すより先に、煌也くんが私の頬を優しく撫でる。






「可愛すぎて耐えられないんだけど」





「え?」






今の言葉はなに?

聞き間違い?

混乱した頭を整理する前に、煌也くんが次の言葉を言ってしまう。







「藤香ちゃんが楽しそうだと僕も楽しい。昔から、ずっと」

「でも、藤香ちゃんといると緊張もする。大好きだから」







頬に触れている煌也くんの手が熱い。

その熱さでどれだけ勇気を出してくれているか分かってしまう。
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