無自覚に胸キュンさせてくる御曹司が対処しにくい。
「突然こんなこと言ってごめん。返事はすぐに要らないから」

「あ……」

「僕がゆっくり考えてから返事が欲しいだけ」

そう言って笑った煌也くんはどこかいつもと違っていた。

でも、いつもと同じ雰囲気も感じて。

すぐに返事をしたいのに、上手く言えない自分が嫌になる。

でも、自分の気持ちも含めて一度ちゃんと家で考えたいのも事実だった。

「今日は帰ろうか、藤香ちゃん」

煌也くんがそう言った瞬間、私たちの後ろから声がした。

聞き覚えのある声だった。






「えー、まだ帰るには早いんじゃない? せっかく紅葉スポットに連れてきたならゆっくり回らないとモテないよ、煌也」






振り返ると、そこには冬我さんが立っていた。
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