無自覚に胸キュンさせてくる御曹司が対処しにくい。
……それでも、私は好きな人に真面目でいたい。

面白くない性格の私でも、好きな人に真面目で誠実な人間でありたい。

それくらいのプライドはある。

「煌也くん。パーティーが終わったら少し時間をくれる? あの時の返事がしたいの」

目を合わせてちゃんと言えた、と思う。

それでも多分私の声は震えていたらしく、煌也くんの目が愛おしそうに変わる。

「ゆっくりでいいって言ったのに。なんやかんや僕を待たせないのが藤香ちゃんらしくて、大好き」

心臓が壊れそうなくらい速くなっている。

場所なんて考えずに今気持ちを伝えたくなってしまうほど、早くこの人と両思いになりたい。

そんな感情に体を支配されれば、無意識に煌也くんの袖に手を伸ばそうとしていた。

その時、煌也くんが他のパーティー参加者に呼ばれる。

挨拶に向かう煌也くんの後ろ姿を見て、自分が何をしようとしたか気づいた。
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