ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
彼が立ち直るまでなにかと世話してあげた結果、交際を申し込まれてつき合ったのだが、一年ほど前から隆矢の様子が変わってきた。

見た目が派手になっただけでなく女性の陰を感じるようになり、浮気の発覚も二回ある。

二度としないと約束してくれたから別れず結婚の話もしているのに、生返事で携帯を見るばかりの態度に眉根を寄せた。

(二週間前に、結婚しようって言ったのは隆矢なのに)

「クリーム餡蜜、お待たせ」

頭髪が半分白くなったマスターがお代わりをテーブルに置いてくれた。

他に客がいないので提供はスピーディーだ。

「白玉一個、おまけしておいたよ。鈴花ちゃんはお得意様だから」

「わっ、マスターありがとうございます!」

食べることが大好きで特に甘味に目がない鈴花なので、いっぺんに機嫌が直る。

肩下までのストレートの黒髪を耳にかけ、張りきって木匙を握った。

(今日は結婚の話はやめよう。部署異動したばかりで隆矢も仕事が大変なのかも。んっ、白玉もちもちでおいしい!)

夢中で食べていると、隆矢が席を立った。

「トイレ」

その背が店の奥に消えると、テーブルに置いていった彼の携帯が光った。

なにげなく見てしまった画面にはSNSアプリのメッセージ通知が現れる。

【昨日は楽しかったね。今度は泊まりがいいな】

(みゆって誰? もしかして……じゃなく、完全に浮気でしょ)

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